【サイエンスパーク株式会社】成功の反対は失敗で無く、何もしないこと
サイエンスパーク株式会社とは
サイエンスパークは私が1994年からスタートした会社です。
デバイスドライバという、PCやPC周辺機器を制御するソフトウェアの開発および、自社製品として情報セキュリティソフトウェアの開発・販売をメインに行っております。
日本だけでなく海外も合わせて55件の特許を有しており、たくさん技術の詰まった会社です。
教育者志望から企業経営者へ
初めは教育者を目指していたので、大学に勤めていました。
しかし、働く環境に不満を抱き、社員数3人のベンチャー企業に転職を決意します。
大企業を選択しなかったのは、自分の実力を短期間で上げようと思ったときに、大企業よりベンチャーの方が有効だと考えたためです。
転職先の企業で努力をし、普通の人が20年〜30年かかることを5年くらいでできるようになり、起業に結び付けていきました。
ーー起業したいと思ったきっかけは何ですか?
父・祖父・叔父は国鉄勤め、かつ、親戚は学校の先生で、公務員に近い家庭で育ったのでその反動が出ているんだと思います。
今思うと立派な仕事だとは思いますが、当時の自分からしたらつまらない人生だなと感じてしまったんでしょうね。
大学時代に毎日のように仲間と酒を飲んでいたとき、自分は起業をしたいんだよねという話をよくしていた思い出があります。
まずそもそも起業したい欲はありましたが、具体的な事業を決めていませんでした。
なのでどんな事業をしても当てはまりそうな「サイエンスパーク」という名前にしました(笑)
スタート当初はお金も実績もないので、できることといえば毎日人に会うことでした。
会社の代表に電話をかけて会いに行き、そこから繋いでもらうことを繰り返していました。
お仕事はいただけませんでしたが、色んな人に会ってると様々な情報が入るので、どんどん私の中に新しい情報が蓄積されていきました。
そんな毎日を繰り返しているとき、日本でWindows95が発売されました。
これまでパソコンは、ワープロやExcelなどといった単調な製品でしたが、音楽を聞いたり映画が見れるようになりました。
さらに、ピアノやギターなど、あらゆる周辺機器がパソコンと繋がっていきます。
毎日人に会い、400社を越える頃、パソコンと周辺機器を繋げるときに必要なデバイスドライバーというソフトウェアに、ニーズが埋まっていることに気づきました。
そのときに私は、デバイスドライバーを手掛ける日本一の会社になろうと決めました。
当時は作ったこともなかったですが(笑)
それでも沢山の人の支えがあり、今では日本で唯一のデバイスドライバーを専業で作る会社になれました。
今振り返ると、仕事がなかったから沢山の企業を回り、そのおかげで貴重な情報を得ることができたので、仕事がないというのは意外とラッキーなことだと感じます。
さらに、たまたま時代の変革点に自分は起業をしたのでとても運が良かったと思います。
これだけ言えるのは、仕事が苦しいという感覚を持ったことがないですね。
学生時代から、どうせ働くならお金のために働くのではなく、楽しく働きたいという意識があるので、同じ時間・同じバイト代でも人の何倍も働いていました。
いくら頑張ってもバイト代は変わらないのだからテキトーにやろうという人もいましたが、せっかくこんなチャンスをもらってるのだから一番働こう!とか、お客さんの顔を覚えよう!とかして、バイトをゲーム感覚でやっていました。
そんなことをしていたので、お客さんから気に入っていただいてました。
成功の反対は失敗?
失敗や挫折なんてずっとしています(笑)
社長室にこんなことを書いています。
「成功の反対は失敗で無く、何もしないこと」
実は昔、ある企業にそそのかされて、1億円以上かけてプロダクトを作ったけど受注先に採用されませんでした。さらには誰も謝りに来ませんでした。
しかし、現代の考え方にピッタリ当てはまっているサービスだったので、最近になって売れ始めています。
そのときに諦めていれば騙されたダメな社長だけれども、諦めずに続けたことでそれが花咲いた。
だから失敗とか挫折は、成功のための一つの要素だと思います。
サイエンスパークのこれから
今現在、世の中で使われているサービスってほとんど海外のものなんです。
中央省庁や県庁クラスの仕事に入っても、うちの製品以外はほとんど海外製です。
これが進んでしまうとIT植民地になってしまう。
例えば、国が5,000億円くらいかけて小・中学生にパソコンを持たせるギガハイスクール構想という取り組みをしましたが、配られたパソコンはほとんど海外製なので、お金はアメリカと中国に流れてしまいました。
また、全ての小・中学生はGoogleでアカウントを作るので、情報も海外に流れてしまう。
これって完全に植民地ですよね。
たしかに、海外の良い製品を輸入して売ったほうが自分たちで作るよりも儲かります。
でもそれは目先の経営ですよね。
日本の将来を考えたときに、それは良くないことだと思います。
だから自分たちだけは必ず生き残ろうと思っています。
まずは日本に製品を普及させ、そのあと世界まで広げます。
若者へのメッセージ
でもそれはあなた個人の話だけではなく、全世界の全ての人間が同じ状況に立たされています。
制限された環境で何をやるかを考えることがものすごく重要で、じつはコロナは、しないことを列挙する話ではなく、コロナだからやるべきことを考えるチャンスだと思います。
大学にいかなくて授業を受けられるなんてものすごくラッキーだと思います。
日本中をアルバイトしながら回ることだってできますよね。
今、自分が置かれている状況で何ができるか、ポジティブに考えてみてください!
サイエンスパーク株式会社 代表取締役 小路 幸市郎