【株式会社Kanatta】"ジェンダー平等"に貢献すべく、何をしたいかではなく、何になら全力を出せるかを考えた。

井口 恵
株式会社Kanatta 代表取締役
座右の銘「何をするかより誰とやるか」
2010年横浜国立大学経営学部卒。監査法人やファッション業界での経験を経て、2016年に株式会社Kanattaを創業。SDGsの取り組みの1つである「ジェンダー平等の実現に貢献する」ことを理念に、さまざまな分野での女性の活躍や社会進出を支援するコミュニティの形成に尽力している。その代表格である、ドローンの魅力を社会に発信する女性チーム「ドローンジョプラス」は約100名に成長。女性が社会で活躍する場を提供している。

株式会社Kanatta(カナッタ)とは

ーーー自己紹介をお願いします。

2016年の6月に株式会社Kanatta (カナッタ)を創業した、井口 恵と申します。


私たちの会社は「ジェンダー平等の実現に貢献すること」を企業理念として活動しています。
起業したのちに、2つのコミュニティ運営と、クラウドファンディングのプラットフォームを作りました。
女性のドローンパイロットを育成するコミュニティ「ドローンジョプラス」と、男性が主体の宇宙業界で女性の活躍する場を作ることが目的のコミュニティ「コスモ女子」の2つです。
クラウドファンディングは、夢を叶えたいと思っている女性にとって、最初のハードルとなる資金調達で役に立てるプラットフォームになっています。


実は私、社会人1年目は公認会計士として監査法人で働いておりました。職場の8割が男性の業界で、当時は深夜残業が多く、朝の3時まで働くことが当たり前の職場だったんです。合格率が数%の試験に合格した優秀な同期の女性社員が、結婚や出産を機に仕事を辞めてしまうことが非常に残念で、勿体無いと思っていました。


その後、体力的な限界を感じた私はフランスのファッション業界に転職をしました。
転職先の業界は、前の職場とは打って変わってかなりホワイト、定時には必ず上がる会社で、8割が女性の職場でした。
それにも関わらず、役員が全員男性だったということから、「結婚や出産を迎える女性が社会に復帰したり、出世することは難しいこと」なのかなと思うようになりました。


私自身の働く環境を含めて、女性が働きやすい環境を作ろうと考え始めたのはこの頃です。


ーーー社長就任への経緯を教えてください。
自分でしっかりお金を稼ぎたいという想いから監査法人 (会計士)で働き始めました。
アメリカで過ごしていた小学生時代は、私が何不自由なく生活できているのは父親が働いて稼いでくれているからだと、子供ながらに感じていました。
だからこそ、父のように働いて家族を養っていけるようになりたいと思うようになりました。


男女で差別されることがない環境で働きたいと思い、公認会計士の資格を取りました。
しかし、先述した通り、朝の3時ごろまで働く毎日を過ごすなかで、将来くるであろう体力的な限界と、将来有望な同期の女性社員が退職していく姿をみて、転職を決意しました。


転職先であるフランスのファッション業界は、働きながら子育てもするママが多く、前の職場とは違い、かなりホワイトでした。しかし、急な自由を与えられた私は、その自由をどう扱ったらいいのかわからなくなってしまいました。


深夜まで働いていた私が、いきなり定時で上がるようになることで、時間の使い方がわからなくなるのは当然の迷いだと思います。


そこで、人脈を広げる目的でいろんな場に顔を出すようになり、経営者の方に会う機会が増えました。その方達に話を聞いてもらいながら、役員が男性ばかりであることに疑問を感じていた私は、「女性が本当に働きやすい環境とはなんだろう?」という想いを改めて強く感じるようになりました。起業を決意したのは、私だけではなく、「女性」が働きやすい環境を作るための挑戦をしたかったからです。


ドローンが首相官邸に落下した2015年、世間ではまだ全然流行っていなかったドローン業界で活躍されている女性とお会いすることがありました。ドローン自体に興味があったわけではなかったのですが、その女性との出会いから「女性が働きやすい環境を作るために、この業界はあっているかもしれない。」と思ったことがきっかけになりました。

未開拓の地を切り抜く

ーーーはじめはどんな壁にぶち当たりましたか?
ドローンってなに?という人が多く、周りに全く認知されていなかったことが当時は大きな壁に感じていましたね。そもそも、ドローン業界はすごく小さかったので、新しく市場を開拓することが難しい状況にありました。


当時は「ドローンやります!」と言っても人が集まらないので、「ガジェット飲み会」なるものを開き、勉強会などと称して、コミュニティ作りに励みました。


人気アイドルグループのプロモーションビデオをドローンを使って撮影できたことも、隣でたまたま「ドローン」という声を聞いて、当時の立ち上げメンバーが勇気を出して話しかけたことがきっかけなんです。ほんとうに、はじめの数年はそんな感じでした。なかなか泥臭いことをしていました。



ーーー女性起業家だからこそ苦労した経験はありますか?
あまり感じたことはありません。
女性だからという理由で注目してもらったので、むしろ得したことが多かったですね。
少ない女性起業家は有利なのかもしれません。


そして、それ以上に良かった点は、ライフスタイルを自由にできることです。
会計士だった時代、結婚や出産を機に第一線から退く同期をみて「勿体無い」と思っていました。

自分の前を歩いている人との時間を大切に

ーーー起業するに当たって経営の事前準備はされていましたか?
起業するに当たってアドバイスをもらえる人がいました。
全くもって1人で全て立ち上げたわけではありません。
今でも、周りからたくさんアドバイスをいただいています。
知識も大事ですが、より人脈が大事なんじゃないかなと、これまでの人生から感じています。


ーーー人脈を作るコツはありますか?
とにかく人に出会うことです。
その辺の道を歩いている人にむやみやたらに話しかけても意味がないのですが (笑)
自分が会いたい人を連想して、その人がどこにいるか常に考えながら行動していました。当時から心がけている「会いたい人の詳細なイメージを考えながら行動すること」が現在に活きています。
もちろん、うまくいかないこともありましたが、常に考えて行動していました。
あと、自分の目標や、なりたい姿を日頃から口に出していたので、それを聞いた周囲の人が「会いたい人」に繋げてくれました。


ーーー大切にしている考え方や生き方はありますか?
自分の目指す道の10歩先を行っている人と一緒にいることです。
すでに様々なことを経験している人は、自分が難しいと思っていることを簡単にやり遂げてしまうのです。
そういった人の近くにいることで、自分自身のスタンダードを高めることができると思っています。
会社員だった時代は、仕事仲間と愚痴を言い合うことでストレスの発散をしていました。今はできないことを嘆くより、こんなことができると前向きな話をすることが楽しいですね。

先を見据えて、1歩ずつ着実に歩む

ーーー挫折したことはありますか?
3年前、100人いたドローンジョプラスが10人になってしまったことがありました。
自分の元から大勢の仲間が去ってしまった事実が悲しかったのですが、それ以上に自分の想いがメンバーに伝わっていなかったことを思い知りました。
ただ、残った10人と力を合わせ、一緒に腹を括り、もう1度会社を立て直すことができたときは嬉しかったですね。
その結果、ドローンジョプラスは1年で60人まで増えました。
その頃の経験が今の経営に役立っています。
今ではその出来事に感謝していますが、当時は生きた心地がしませんでしたね。
人と人との繋がりが大事なんだと学びました。


起業をこころざしたとき、周囲から「勿体無い」「理解できない」という意見が多かったんです。
そんな状況を打開するためには、やはり結果を出していくしかないと思いました。
近年、持続可能な開発目標である「SDGs」や「ジェンダー平等」という言葉がやっと認知され始め、自分が取り組んでいることが認められはじめていることは嬉しいですね。


ーーー上手くいかない時期を乗り越えられた要因は?
起業してからの5年間は、周囲の人に自分の想いがうまく伝わらなかった期間でした。
いつか伝わるだろうと思っていましたが、とてももどかしかったです。
SNSやnoteを使って「自分の言葉」を発信したことで理解してくれる人が増えたんだと思います。

どんなことにも全力で

ーーー今後どういうビジョンを掲げて動いているのか。
株式会社Kanattaは、ドローン業界と宇宙業界で活躍する女性を増やしていくことに引き続き挑戦していきます。
女性のコミュニティ運営をしていて、ロールモデルに背中を押される経験が多くあります。
そんな存在に自分がなり、さらに海外でも活躍できることを身をもって体現していくつもりです。

ーーー若い人にメッセージをお願いします。
人と違うことをやり始めると、周りが足を引っ張ってくることがあると思います。
それでも、自分の理念を持って諦めずに頑張ることで、少しずつ道が開けていきます。
結果を出せば周囲はだんだんと応援してくれるようになり、仲間も次々に増えていくんです。


ーーーやりたいことがない人へのメッセージを。
自分自身やりたいことがなかった人でした。
ただ、「どうありたいか」や「どうなりたいか」という目標は持っていたので、その目標を達成するために興味がない物事にも全力で取り組みました。
好きなことだからといって継続できるわけではないと思っています。
やればやるほど自分の目標に近づいているという実感があることと、少しずつでも目標を達成していると感じられることが楽しいのだと思います。
仕事でもなんでも、大事だと思っていることは全力を出せるかどうかで、どんなことでも全力を出せば楽しいと思います。
全力を出せるかどうかは、頑張った先に何があるかイメージできているかどうかなんですよね。
そこから逆算すれば、やりたいことがない人でも今何をすべきか見えてくるんじゃないでしょうか。


株式会社Kanatta 代表取締役 井口 恵
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ジェンダー平等 女性 ドローン 宇宙

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会社情報

株式会社Kanatta
目黒区中目黒3丁目6-2 中目黒FSビル5階
2016年06月 創立
12人のメンバー
03-6868-3910

https://kanatta.co.jp/